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横浜地方裁判所 昭和60年(わ)519号 判決 1985年6月25日

本店

神奈川県厚木市中町三丁目六番一四号

有限会社 アンドリュース

右代表者

長谷川美江

本籍

横浜市南区中島町四丁目八九番地

住居

同市中区山手町一一九番地の一八

会社役員

長谷川操

昭和七年六月一日生

右の者らに対する法人税法違阪各被告事件について、当裁判所は、検察官小林正一出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人長谷川操を懲役一年二月に、

被告人有限会社アンドリュースを罰金三、〇〇〇万円に処す。

被告人長谷川操に対し、この裁判が確定した日から二年間、右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人有限会社アンドリュースは、神奈川県厚木市中町三丁目六番一四号に本店を置き、遊技場等の経営を業とするもの、被告人長谷川操は、登記簿上同会社の取締役の地位にあって、実質上同会社の業務全般を統括しているものであるが、被告人長谷川操は被告人会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上の一部を除外して簿外預金を蓄積するなどの方法により所得を秘匿したうえ

第一  昭和五六年九月一日から昭和五七年八月三一日までの事業年度における被告人会社の実際の所得金額が一億六、四一二万四、三四四円であったにもかかわらず、同年一一月一日、同県同市水引一丁目一〇番七号所在の厚木税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が六、〇〇三万五、三七九円で、これに対する法人税額が二、一八四万四、五〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額六、五四九万四、二〇〇円と右申告税額との差額四、三六四万九、七〇〇円を免れ

第二  昭和五七年九月一日から昭和五八村八月三一目までの事業年度における被告人会社の実際の所得金額が三億二、七八一万五、八二六円であったにもかかわらず、同年一〇月三一日、前記厚木税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一億三、九五二万一、二二九円で、これに対する法人税額が五、二二三万九、九〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額一億三、一二五万七、五〇〇円と右申告税額との差額七、九〇一万七、六〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示全事実につき

一  永井紘介(二通)及び金円道の検察官に対する各供述調書

一  大蔵事務官の中山正幸及び長谷川美江(昭和五八年一一月一一日付)に対する各質問てん末書

一  検察官他三名作成の合意書面

一  検察官作成の報告書

一  登記官五十嵐敬夫作成の登記簿謄本

一  被告人長谷川操の当公判廷における供述

一  大蔵事務官の被告人長谷川操に対する質問てん末書四通

一  被告人長谷川操の検察官に対する供述調書二通

判示第一の事実につき

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書

一  押収してある法人税確定申告書一部(昭和六〇年押第三三五号の1)

判示第二の事実につき

一  大蔵事務官作成の査察官報告書

一  押収してある法人税確定申告書一部(同押号の2)

(法令の適用)

被告人長谷川操の判示第一及び第二の各所為はいずれも法人税法一五九条一項に該当するので、所定刑中いずれも懲役刑を選択し、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから、同法四七条本文、一〇条により重い判示第二の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内で、同被告人を懲役一年二月に処し、情状により同法二五条一項を適用して二年間右刑の執行を猶予することとし、被告人有限会社アンドリュースは被告人長谷川操の前記二個の違反行為につきそれぞれ法人税法一六四条一項に該当するので、刑法四五条前段、四八条二項により法人税法一五九条一項所定の罰金の合算額の範囲内で、被告人有限会社アンドリュースを罰金三、〇〇〇万円に処することとする。

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 福嶋登)

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